香心門(こうしんもん)香を薫く心の門

(1)平安貴族、雅の世界へのあこがれ。香炉と灰と炭団。

(2)心の健康。簡単にできる。薫香炉。

「香木」の空薫きから「心」の空薫きへ薫香の実技と基礎知識開催 毎週水曜日16時から18時、白金サロン

受講申し込み:03−3473−6336。〒141−0021。東京都品川区上大崎1−22−15 東目黒苑205

「花と火と香り」それは時代や宗教、民族の違いを超えて人が何か大きなものに祈るための三器でした。私たちの心の水は同じ海につながっていて誰かが起こした波紋は地球の裏の誰かまで寄せていきます。香心門のテーマは「心の香り」です。

沈香を国民文化に


















沈香を初めて見た時は、珍しいだけの印象でした。勉強していくうちに、古代から近世を貫く由緒あるもので、歴史上の有名人が綺羅星のように関わっているのでした。香道を学んでいます。現代と隔絶した、だからこそ燦然と輝くすばらしい世界です。しかし現代、誰が何のために沈香を必要とするのか、ますますわからなくなりました。宮中や寺院で使うだけという人もいました。途方にくれました。

    「沈香の効能」
沈香を最初に手にしてから3年、答えは身近にありました。自分で沈香の力を体験したのです。不安にかられて沈香を薫いた時、不安が霧消したのです。自暴自棄の娘に途方にくれる母親、癌と言われせめて息子が高校生になるまでと明るく生きる母親。苦しみや悲しみを負った女性も来て安らいでくれました。沈香に含まれる植物ステロールは母親の吐息や脇の下から漂うホルモンと生化学的に驚くほど酷似しています。「母親の懐に抱かれた記憶の香り」が安心を呼びます。

「歴史の表と裏」
沈香には人の心を和ませる力がある。そういう視点で沈香の歴史を見直すと、大切なことが見えてきました。沈香はなぜか有名な人物とともに頻繁に歴史に登場します。沈香には権力者が必要とする、集団をまとめ、つなぎ、和ませ、安心させる稀有の力があったのです。哺乳類は甘みを好みます。脳は揺らぎを楽しみます。沈香はその両方で私達の心を虜にします。宗教も沈香のこの「力」を用います。今も寺院やイスラム教のモスクでは修行や儀式に沈香を焚きます。

    「沈香と権力」
権力者しか入手できないという意味も含め、沈香は権力そのものでありました。天皇の御心を慰め、悪霊から守ることを目的に、貴族たちは香りに心血を注ぎました。昼なお暗い宮中で香りは貴人の権威と位階そのものでした。沈香は武家の団結に必須でした。信長は天下を取ってすぐ正倉院の「蘭奢待」を切り取り、部下に与え、忠誠を誓わせました。家康も天下を取ってすぐ、部下に与えるため、沈香の買い付け船をチャンパ王国(現ベトナム)に向かわせました。1隻は遭難、2隻目が持ち帰った沈香が家康が眠る久能山東照宮の博物館に残されています
    
沈香を国民文化に」

1000年間、権力者や宗教が独占してきた沈香。貴重で稀有な沈香ですが、21世紀にどんな意味があるか考えました。今、日本に権力者はいませんが権力者の孤独は蔓延しています。グローバル化で、国民一人一人が弱肉強食の戦国の檻に投げ込まれ、信長や家康と同じ厳しい選択と戦いの日々を強いられています。生活者に心の安らぎが必要です。沈香が伝統文化から蘇り、国民文化になってほしいと願います。