源泉

(1)香りの色々

香水、調香師が香りをブレンドする。沈香、自然が香りをブレンドする。一木を一香とする。

顕香、スミレからはスミレの香り。その人からは、その人の香り、香りの力で人の心を引寄せる。密香、香りの存在を気取らせぬまま、人の心を浮かせる。

薫香香りを部屋に満たす、大脳辺縁系で楽しむ。聞香香りを聞き分ける、大脳辺縁系と大脳新皮質の両方で楽しむ。

香りは、嗅覚細胞を通り、大脳新皮質で記憶と重ねられる。単純で、鮮やかで、澄んで、甘い香りから、記憶の成熟に従い、複雑さを好むようになる。沈香は50種あまりの混合物で、複雑な官能がある。

(2)香テラピー:薫香と呼吸

香炉を据える。火を燈す。沈香を割る。火皿に載せる。

椅子に座る。襟を前に引かれたように、重心が背骨を貫く前傾姿勢。目を閉じる。闇と静寂。視覚が遮断されて、脳の中の「私」が、禁断症状のようにもがき始め、視覚以外の刺激を探り始める。意識が匂い、音や心臓の鼓動に向かう。息を、ゆっくり30回以上に分けて吐く。最後は丹田(臍の下)を絞る。苦しい。息を吸いたい欲望との戦い。息を一気に吸う。苦痛が快感に一転、生き返る。身体が欲望で動いていることが解る。自分が欲望そのものであることがわかる。気分転換なら20セット以上。身を蝕むほどの憎悪や悲哀なら100セット以上繰り返す。

初香。樹脂の香り。覚醒する。続いて軽い甘い香り。

本香。母親が赤ちゃんに耳元で囁くような香り。懐かしい透明な甘み。居心地が良くなる。集中力が高まる。和やかな雰囲気になる。香りを忘れるが、雨上がりのようなしっとりとした空気。眠くなく、頭は冴えているのに、まぶたが重くなり、体の動きがゆっくりになる。呼吸も遅くなる。穏やかな気持。目の前のことに集中して、余分なことを考えなくなる。疑問や反感が湧かなくなる。冷静で、落ち着いて、内省的になる。脳波はα波になっている。

残り香。知らぬ間に、火が消え、ひと時香りが強まり、それも失せる。嗅覚が戻る。どこからともなく漂ってくる。自分の髪や服から来ることに気がつく。

2、3日、穏やかな気分と集中力が持続する。

何が見えた。何が聞こえた。何を思った。何が起こった。何が来た。何が触れた。

(3)嗅覚と官能

(4)交感神経と副交感神経。

(5)免疫体系。健康への影響。