生物には魂と欲望と体があり、命のやり取りをすると、魂が入れ替わる

コブラ光背仏(アンコールワット出土)

         山の斜面で蝶を追っていたら、空から白い大きな蝶がゆったりと舞い降りてきた。網を構えたら、蝶の方から入ってきた。今、蝶の魂が私になり、私の魂は蝶の亡骸と共に標本箱の中で干からびている。春になると顔を花に突っ込みたくなったり、ビルの屋上から飛んでみたくなったりする。体が年老いて、欲望も乾電池のように寿命が来て、蝶だった魂が、また別の体に遷ろうとしているのかもしれない。

         ビッグバンや万有引力のように、世界をうまく説明できる仮説を誰かが唱え、皆で種々の現象を当てはめて、普遍的に成立つか検証する。DNAを画家に、人を自画像に例える。自画像は自分は自分だと信じているが、実際は見えない画家が描いている絵だ。神と人の関係もそんな仮説の一つだ。