安心ノ湯(心を平安にする)

40億年前の太古の海で、太陽のエネルギーを受けて発生した高分子化合物の一個が、雷に打たれた拍子に、周囲の物質を取り込んで自分のコピーを作る能力を、得た。この奇跡はその後40億年間、2度と起きていないが、最初の一個は今もコピーを作り続けている。コピーの精度は大雑把で、長い年月、少しづつ違う膨大なコピーが溢れている。

脳の神経細胞はおよそ1000億個あって、それらが紡ぐ記憶の数は、全宇宙の原子の数より多い。外の宇宙より脳の宇宙のほうが深い。

群れ蜂や蟻は守る者で、群がすべて、個は無い。いわしや羊は逃げる者で、群は逃げるための目くらまし。狼やライオンは狩る者で、群れは序列やチームワーク。

人はこのすべてで群れている。人は自分が大きなものの一部だと感じた一瞬に、一瞬限りの安心を得る。