鎮苦ノ湯(苦を和らげる)

暇や孤独が苦痛。なぜそうなるか。脳が興奮物質依存症になっている。快感刺激 →脳内麻薬・エンドルフィン分泌→快感→依存症。不快感刺激→興奮物質・アドレナリン→緊張、ストレス→依存症。

快感のみならず不快感まで、貪るようになってしまう。どうすればいいか。

瞑想やバカンス。なにもしないこと。

草や虫とは、遺伝子のコピーミスで、今は互いの意思は読めないが、暑い日に水を撒けば、草は匂いで話しかけてくる。夕立が小降りになって、みごとな鬼やんまが軒先に来た。緑の目、黒と黄色のトラの縞模様、悠然と滑空する羽のひかり。こいつと私の祖先がDNAのバトンについた傷で分けられたのはいつのことか。

命を食べる。遠い昔に別れたコピーたちだと思いながら。

蝶にはそれぞれの種で固有の匂いがある。筋黒蝶はみかんの匂いで人間にもわかる。♀蝶は前翅中央に発香鱗があって、匂いの分子を飛ばして♂蝶に呼びかける。♂蝶の翅にも鱗粉が退化したカルデラのような穴があって、その分子をキャッチする。

人と蝶が枝分かれする前に備えていたのが嗅覚なら、人と蝶のコミュニケーションは匂いで可能だ。

久しぶりに見る夕焼けは、どうしてあんなに心を揺さぶるのか。脳は科学の無限に発散していく世界に不安を感じる。一点にまとまっていく宗教の世界に安らぐ。