和合ノ湯(万人が心安らかに楽しむ)

物については欲望の存在が鑑賞の邪魔をするが、いったん空中に放たれた香りは音楽と同じで、万人が心安らかに受け入れられる。香りの働きが、一人一人の脳の世界を暖め満たす。

うれしくてたまらない表情を満面に浮かべている人を見ると、こちらの心も明るくなる。無邪気な心は香りと同じで、無言で、人の心を暖かくする。

体の傷は治るけど、心の傷は治らない。体に危害を加えるのは犯罪だが、それは結果として「脳の中の私」を傷つけるからだ。「私」を直接傷つけるのはもっと重罪だ。心のために命を投げ出すこともある。