鏡の国のアリス
卵子に精子が入った瞬間、細胞膜は硬化して、もう何も入れない。入っても排除する。この、自分と自分でないものを区別し、自分でないものを排除する働き、それが「私」。
体には老死のタイムスウィッチがついているが、「私」にはついていない。「私」には老も死もない。
「私」は脳の中に仮想の世界を作る。その世界には、時間も空間もない。
今も昔もゴチャゴチャで、生者も死者も区別が無い。
その周りをこの世が囲んでいる。
「私」は、鏡のように、何かを写して「私」になる。アリスのように、鏡の中を探しても、「私」は決して見つからない。