壷中ノ湯(心の友)
印象深かった人の記憶は、離れていても、思い出すたびに深まる。記憶の中のその人は、現実の生死にかかわらず、記憶の中でいつまでも生き続ける。かえって親密になる。
記憶の中の対話には、束縛がなく、自由自在で、現実を超えた内容だったりする。
その人の死を知らされても、心の世界に生き続けているその人とは別人のような気がする。だから、特別な事情が無ければ、死を他人に知らせる必要はないと思う。
人は物には飽きる。欲望が満された瞬間に関心を失い、別の物に関心が移る。自他を物体として認識している人には、老いも早く来る。
心の成長は遅く、生きる限り続き、輝きを増し続ける。現実の人は心の中まで入れないが、心としての人は心の中に入ることができる、